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アラサー営業マンの勉強ブログ。

フィリピンでの邦人殺害事件について思うこと

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夏前の6月上旬の割には暑い日が続きますね。湿度もぐっと上がってきていて、もはや日本も東南アジアの一角と言われても、決して否定はできないと感じるようになりました。

 

最近ニュースでフィリピンなどの東南アジアで邦人が殺害される事件を見かける頻度が少し上がってきたように感じます。痛ましい事件だなと思います。でも、こういった邦人殺害は、「日本人どうしのいざこざ」が原因なのではと個人的には思っています。

 

僕は個人的な旅行でアジアを1ヶ月旅行して、英語留学のためにフィリピンに3ヶ月間、仕事でベトナムに1ヶ月、合計5ヶ月だけ東南アジアに滞在していました。その時に学んで感じたことをまとめます。

 

東南アジアでは特に現地に長期滞在している日本人に気をつける

フィリピンのセブやマニラの中心部、ボラカイやパラワンなど、いわゆる観光地を観光する分には全く危険はないと思います。フィリピンは敬虔なカトリックの人(一部のイスラム系の人々を除く)が多く、性格は穏やかで、優しい人たちが多いです。観光地によくあるスリなどは多少ありますが、現地の人にいきなり命を狙われるようなことはまずありません。安心して旅行を楽しめます。

 

むしろ、気をつけるべきなのは、現地で長期滞在している日本人だと個人的には考えます。もちろん、現地に長期滞在している日本人の方々は、人間的に素晴らしい方もたくさんいます。僕もたくさんお世話になりました。でも、その中の一部の日本人は同じ日本人を食い物にしようと狙っています。

 

僕は昔、仕事を辞めた後の期間を利用して、アジアで起業した日本人にSNSでアポをとって、会社見学や一緒に飲みに行くという旅をしていたことがありました。その中で、フィリピンの日本人会の会長さんとの会食で非常に興味深い話を聞きました。

 

「フィリピンに移住したいから、日本人会にサポートしてほしいという連絡が定期的にくる。そういう連絡は基本的にお断りしている。日本人には来ないでほしいと思っている。なぜなら、最近フィリピンに移住してくる日本人のモラルが低いからだ。彼らはフィリピンに来たら、困ったことは全部やってもらえると思っている。自分から周りとコミュニケーションをとろうとしない。一日中、自宅にこもっている。英語はもちろん喋れないし、現地の言葉を学ぼうとする努力もない。挙げ句の果てに、移住してきたフィリピンの現地の人を上から目線でバカにすることもある。思うに、海外に移住しようとする人は、一定の割合で日本のコミュニティーでうまくいかなかった人がいるのではないか。だから、海外で再挑戦しようとするのだが、そもそもコミュニケーション能力が高くないので、移住先でも苦労したり協力を得難いのではないだろうか。最近、タイからフィリピンに移住する人が増えている。どうも、タイの日本人会でいざこざがあったらしい。タイの物価上昇もあり、より安価で最近語学留学も盛んなフィリピンにタイから移住する日本人も増えている。が、こういった人たちも上手くいくとは思いにくい。

また、彼らはそんなにお金にも余裕がない。フィリピンに来れば生活費が安くなるという期待を持っている人も多い。しかし、日本人の移住者は日本と同じ生活水準をフィリピンでも維持しようとする。生活費が安くなるのは、現地の人と同じような生活水準の場合だ。フィリピンには、まだ日本と同じような生活インフラは整っていない。日本と同じ暮らしをフィリピンでしようとすれば、日本以上にお金がかかる現状を理解していない。

そんな状況なので、フィリピンの現地の人は日本人に対して怒っている。「日本からフィリピンに移住する人間はコミュニケーションがとれないし、上から目線だし、お金も使おうとしない(そもそも持ってない)。なんなんだ彼らは!」と。

フィリピンに移住するということは決して楽なことではない。フィリピンの言葉を学び、法律や文化を受け入れ、現地の人間と助け合いながら生きていくことだ。資産に余裕がない場合は生活水準はぐっと下がる。日本で暮らすよりもずっと頑張らなければいけない。それだけの覚悟はあるか?と質問したうえで、YESと答えた人間だけをサポートしている。」

 

会長さんの話のように、ちゃんと覚悟を持って移住する人は環境に適応し、最初は大変かもしれないが楽しいセカンドライフを送っている人が多いように思います。一方で、覚悟のない人はどうなるか?生活のためにお金を稼がねばなりません。でも英語やタガログ語(フィリピンの現地の言葉)はわからないから、現地の人を相手にした仕事はできません。だから、フィリピンにいる日本人をターゲットにします。

 

僕はフィリピンで何度が日本人に騙された経験があります。空港でタクシーを待っていたら、現地に住んでいるという日本人に声をかけられました。「日本から遊びに来た友人を車で迎えに来た。ガソリン代をちょっと負担してくれればホテルまで送ってあげるよ。」と提案してくれました。フィリピンに不慣れだった僕は有難くその提案にのりました。なんて親切な人だろう!と感動していました。フィリピンで日本語でやりとりができることにすっかり安心し、ホテルに着いたら向こうの言い値を支払って車を降りました。後でタクシーの相場を調べて驚きました。僕が支払った金額は、通常のタクシーで空港からホテルまで行った場合の3倍以上だったのです。自分の無知と警戒心のなさを後悔しました。

 

繰り返しますが、海外に移住して仕事をして暮らしている人は、素晴らしい人がたくさんいます。しかし、残念ながら一部の日本人は同じ日本人(特にフィリピンに来たばかり、知識がない人)を狙っています。東南アジアで見知らぬ日本人から声をかけられた場合は警戒してください。

 

フィリピンで知り合った日本人が信頼できるかどうかを判断する基準は、現地の人を雇用していたり、現地の人と結婚していたり、現地の人がお客さんになる仕事をしているかどうかだと個人的に考えています。日本でも同じことですが、現地の人と関係性を作っている人の場合、「信頼関係」に重きをおきます。そういう人にとって、「あの人は人を騙して生計を立てているらしい。」という噂が立つことは致命傷になります。だから、現地に根付いている人は信頼できると僕は思います。

 

余談ですが、日本とフィリピンで大きく違う点が二つあります。一つはフィリピンは人件費がめちゃくちゃ安いことです。サーフィンのマンツーマンのレッスンが、1時間300円とかで受けられたりします。もう一つは、フィリピンでは拳銃が多く出回っていることです。拳銃はライセンスがあれば所持は認められていますが、密輸・密造・質流れの拳銃の場合はライセンスがありません。なので、違法で拳銃を所持している人が多くいます。これらの二つの結果、アマチュアのヒットマンなら2〜3万円で雇うことができます。なので、日本では考えられないようなトラブルの解決方法(?)がフィリピンでは選択できてしまいます。日本人からすると遠い世界の出来事のように思うかもしれません。しかし、僕がフィリピンで大変お世話になった知り合いが、フィリピンで銃殺されたと聞いたときは衝撃でした。経営者の方だったので普段はドライバーをつけていましたが、この日は偶然一人で車通勤をしていたところ、バイクで近寄ってきたヒットマンに射殺されました。なので、フィリピンでは恨み妬みを持たれるような敵を作らないようにするのが一番です。

 

私たち日本人はパッケージになった海外旅行に行くことが多いので、海外でも警戒心が薄くカモにされやすいことは有名です。それを悪用して、海外に旅行や仕事で来る人間をカモにしようとする日本人もいることを、頭の片隅に入れておいてください。最終的に、自分の身を守れるのは自分だけです。

 

フィリピンの話を書いていたら、またフィリピンやベトナムに行きたくなりました。東南アジアは活気があって本当に面白いです。フィリピンの人口は約8000〜9000万人だと思いますが、今後20年で1億を軽く超えて日本と人口が逆転します。また、日本の平均年齢が現状で45歳に対して、フィリピンは22歳です。圧倒的に若い。労働人口の桁が違います。フィリピンだけでもこんな感じなので、ベトナムやインドネシアなども含めると、今後大きな市場になることは間違いありません。東南アジアでの仕事にいつかまた挑戦したい!とやりたいことリストの中に今もあります。

 

話はそれましたが、どこへ行っても人間関係って大事ですね。ちゃんとした人間関係を築いていくためには、最低限のコミュニケーション能力をつけること、そして相手がどういう人間なのかを見極める力も必要だなと感じました。