【ワタクシゴト】
正社員で働き始めて3ヶ月目。
(本当はインターン時代も含めるともう1年を超えるけど)
徐々に営業として責任のある仕事を任せてもらえるようになってきた。
ある夜、役員から直接異動の話を持ちかけられた。
営業から、経理へ。
ついにきたか。
〜〜〜
もともと会計色の強い僕は、組織に属する以上、
いつかは経理に行くと思っていた。
それが、僕の小さな小さな社会的価値だとも思っていたから。
僕が必要とされていることは、何にも代えがたい喜びだ。
でも、個人的には、もっともっと現場にいたかった。
経理に行くことに不満はないが、
もっと現場を知ってから、経理に行きたい。
僕自身のコンセプトは、
会計だからといってバック部門に固執するのではなく、
最前線で泥んこ数字まみれになってサポートすること。
そのためには、もう少しここにいたい。
営業から経理という選択肢はあっても、
経理から営業という選択肢は、組織的にはないと思う。
現場に、もっといたい!
と強く思うも、言葉にはできず。
部署のメンバーには、いつも話を聞いてもらっていた。
「ここに残りたいです。このメンバーで一緒に働きたいです。」
取引先の担当者に声と顔を覚えてもらえるようになった。
形式的なやりとりだけでなく、交渉もできるようになってきた。
考えるタスクが増えてきた。
〜仕事がより楽しくなってきた。
部署での週次MTGや飲み会でも、その話題がよく出た。
そのたびに聞かれる。
「どうしたい?」
「もう少しだけ、残りたいです。」
即答。
うちの組織的に、特定の仕事に固執することはタブーだった。
仕事が俗人化され、流動的な人員配置ができなくなるからだ。
でも、そんな中でも僕自身のこと・今後のキャリアを考えてくれる、
この部署のメンバーが大好きだった。
自由で、個性的で、サバサバしててるけど、人間臭くて情にもろい。
このメンバーと一緒に働きたい。
これも、残りたいと思う大きな理由の一つだった。
〜〜〜
本音はこんな感じで、けっこうドロドロしてた。
でも、さすがに役員の前でこんなことは言えず。
「異動を楽しみにしています。」
としか応えられなかった。
僕の仕事は、後からくるインターン生にすべて引き継ぐことになる。
役員は、僕の異動の話を先輩に振った。
その先輩は言った。
「異動は難しいですね。彼の替えは利かないでしょう。
この部署に、彼は必要です。」
嬉しかった。
もちろん、これは僕の意図を汲んでくれての、先輩の配慮。
でも、それでも、嬉しかった。
ほんのちょっと、メンバーに認められた気がしたから。
認める・認められることの重要性を実感する。
結局、異動はまだわからない。
予定は未定。
とりあえず、もうしばらくは現場にいることができそうなので、
その恩恵にあずかって精一杯働きたい。
翌日、おやつ配給係りの僕は、
先輩の分を超山盛りにした。