【おくりびと@渋谷シネパレス】
を観てきた。
う〜ん、いい映画!考えさせられるポイントがたくさんあった。
まず思い出したのは、以前友人のmixiで「死」について書かれたものだった。
死は、ほとんどの人が怖いと感じるもの。
でも、死んだこともないのに、なぜ怖いのだろう?
友人は、その答えを「想像できないから」とした。
死んだら一体どうなってしまうのだろう?
天国か地獄に行くのだろうか?
生まれ変われるのか?
とても辛いのか?
意外と楽なのか?
などなど、心の準備ができない。どうしたらいいかわからない。
想像力の限界を超えた不足の事態を、怖いと感じるのかもしれない。
という友人の言葉を反芻した。
これともうひとつ、セットになった思い出したのは「無関心」という言葉だった。
無関心という言葉は、愛の反対語である。
好き、嫌いの感情さえ起こらない、無反応。
この映画で、観客の死への無関心さを強く感じた。
映画の中で、主人公が何度も死と対峙する場面がある。
それは、厳しく、ややグロテスクで、侮蔑の感情が込められていた。
主人公は、一時この状況にまいってしまう。
観客は、主人公が初めて死を垣間見た反応を観て、笑っていた。
どうして、この場面が笑えるのかなぁ。と不思議に思う。
死を、想像できないから。身近な問題に落とし込めないから。
きっと、「死」について無関心な人が割と多いのかもしれない。
考えることもできないし、感情も動かない。
観客の目には、主人公がとまどい、おかしな動きをしているところしか映らず、
笑うのかもしれない。
そっかー、死をこうやってとらえる人たちもいるんだと、
強いショックを受けた。
僕は幸運にも、「死」についてのブログを読んだこともあり、免疫があった。
参考までに、⇒特殊清掃「戦う男たち」
すっごくいい映画なのに、エンターテイメントの枠を超えられないのは
もったいないなぁ。そして、ラストシーンの家族愛のとこだけ見て、
ホロリ泣いて、「この映画観てよかった!」で終わってしまう。
う〜〜ん、実にもったいない!
そしてもうひとつ、印象に残ったシーン。
主人公が憧れのオーケストラ奏者を辞めざるをえなくなり、納棺士になる。
死と向き合いながら悩み続ける場面でつぶやいた一言。
「何を試されているんだろう。」
よく、「人生に意味を見出そうとする」場面は多々見る。
僕もそうだ。
でも、逆に「人生が自分に何を期待しているのだろう」という考えは
僕にはなかった。
厳しい運命をしたたかに受け入れつつも、自分でなければならない真意を探る姿勢。
こういう考え方も素敵だなぁと思った。
映画中に幾度となく流れる、チェロの音色も悲しく響き、雰囲気◎
秋の澄んだ空を見ながら、じっくり考えたい映画。
みなさんもぜひ。