YMD BLOG

アラサー営業マンの勉強ブログ。

【おくりびと@渋谷シネパレス】

映画「おくりびと
オフィシャルHP

を観てきた。
う〜ん、いい映画!考えさせられるポイントがたくさんあった。


まず思い出したのは、以前友人のmixiで「死」について書かれたものだった。

死は、ほとんどの人が怖いと感じるもの。
でも、死んだこともないのに、なぜ怖いのだろう?

友人は、その答えを「想像できないから」とした。
死んだら一体どうなってしまうのだろう?
天国か地獄に行くのだろうか?
生まれ変われるのか?
とても辛いのか?
意外と楽なのか?
などなど、心の準備ができない。どうしたらいいかわからない。
想像力の限界を超えた不足の事態を、怖いと感じるのかもしれない。

という友人の言葉を反芻した。

これともうひとつ、セットになった思い出したのは「無関心」という言葉だった。

無関心という言葉は、愛の反対語である。
好き、嫌いの感情さえ起こらない、無反応。

この映画で、観客の死への無関心さを強く感じた。
映画の中で、主人公が何度も死と対峙する場面がある。
それは、厳しく、ややグロテスクで、侮蔑の感情が込められていた。
主人公は、一時この状況にまいってしまう。

観客は、主人公が初めて死を垣間見た反応を観て、笑っていた。
どうして、この場面が笑えるのかなぁ。と不思議に思う。

死を、想像できないから。身近な問題に落とし込めないから。
きっと、「死」について無関心な人が割と多いのかもしれない。
考えることもできないし、感情も動かない。
観客の目には、主人公がとまどい、おかしな動きをしているところしか映らず、
笑うのかもしれない。

そっかー、死をこうやってとらえる人たちもいるんだと、
強いショックを受けた。

僕は幸運にも、「死」についてのブログを読んだこともあり、免疫があった。
参考までに、⇒特殊清掃「戦う男たち」

すっごくいい映画なのに、エンターテイメントの枠を超えられないのは
もったいないなぁ。そして、ラストシーンの家族愛のとこだけ見て、
ホロリ泣いて、「この映画観てよかった!」で終わってしまう。

う〜〜ん、実にもったいない!

そしてもうひとつ、印象に残ったシーン。
主人公が憧れのオーケストラ奏者を辞めざるをえなくなり、納棺士になる。
死と向き合いながら悩み続ける場面でつぶやいた一言。

「何を試されているんだろう。」

よく、「人生に意味を見出そうとする」場面は多々見る。
僕もそうだ。
でも、逆に「人生が自分に何を期待しているのだろう」という考えは
僕にはなかった。

厳しい運命をしたたかに受け入れつつも、自分でなければならない真意を探る姿勢。
こういう考え方も素敵だなぁと思った。

映画中に幾度となく流れる、チェロの音色も悲しく響き、雰囲気◎
秋の澄んだ空を見ながら、じっくり考えたい映画。
みなさんもぜひ。