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アラサー営業マンの勉強ブログ。

犯人に告ぐ

犯人に告ぐ」 雫井修介

映画化も決定したこの作品。
ちょっと前にはTVで踊る大捜査線シリーズをやっていたことあり、
その延長線で読んでみた。

誘拐犯と警察との戦いを、TVを利用した大々的な公開捜査で犯人を追い詰めていく。
横山さんの「震度0」でも警察内のどろどろを目の当たりにしたが、
これにはそれに加え、マスコミ界の内部事情も織り込まれており、実にリアル。

主人公は50歳前後の長髪の巻島警視。
過去の事件を背負い込みながら、公開捜査に臨む彼の姿勢には、
人間的な暖かみと、機械的な冷ややかさを両方感じた。
ある意味、人間らしい。
だからこそ、主人公に魅力を感じるのだろうか。

警察内部の紛争・メディアの情報戦争・恋愛・被害者と警察・そして巻島と犯人との駆け引き
捜査が進むにつれ、それぞれが複雑に絡み合い、ある一点に集約していく。

読み応え抜群。
秋の夜長にどうぞ〜。